› ユーアンドミークリエイトの社長ブログ › ファシリテーション辞典

2015年01月13日

ファシリテーション辞典 7.ブレインストーミング

たぬき「次にご紹介したいのが『ブレインストーミング』です。
   これは有名なのでお二人とも聞いたことがあるでしょ。」

うさこ「ブレインストーミング・・・そんな名前のお菓子があったかしら?」

コン太「おい、いい加減食べ物から離れろよっ!
   えぇ、確かに聞いたことがありますし、村おこし会議でも活用していますよ。
   確か時間を決めて意見をどんどん出し合うっていうヤツですよね。」

たぬき「そう、ブレインストーミングは会議ではよく使われる手法ですよね。
   できるだけ多くの人から多岐にわたる意見を引き出したいときに
   一番使われる手法でしょう。
   出されたアイデアに触発されて、発想がどんどん引き出されていきますから、
   とても使いやすくて効果が高い手法です。
   ではブレインストーミングにはどのようなルールがあるかは把握していますか?」

うさこ「はいっ!
   確かですね、
   ・人の言った意見に対して反論しない
   ・一つの意見を深堀せずに、どんどん意見を出し合う
   ・制限時間とか意見を出す数を決めておく
   っていうことじゃなかったですか?」

たぬき「おぉっ、うさこさんすごい!
   どこかで勉強したんですか?」

コン太「おい、それって確かこの前オレがおまえに教えたんじゃなかったっけ?
   村おこし会議に行く前におまえをしっかりと仕込んでおかないと
   恥をかくのはオレだからなぁ・・・」

たぬき「ってことは、コン太さんはしっかりと把握しているようですね。
   ではブレインストーミングでファシリテーターは
   どんな役割をすればいいと思いますか?」

コン太「そうですね・・・
   意見を引き出しやすくするために、何か工夫が必要ですね。
   でもちょっと思いつかないなぁ~」

うさこ「はいっ!私だったらこんなことをやりますっ!

   ・何の意見を出すのか、目的を最初にはっきりさせる
   ・どんどん出された意見を、一つ残らず記録する
   ・意見が出るように参加者を励ます
   ・人の意見を批判した人に注意をする
   ・意見が止まったら、別の角度から考えるようにヒントを出す
   ・何か言いたそうな人に注意をして意見を引き出す
   ・意見をなかなか出さない人は直接指名して聞いてみる

   どうですか、たぬき先生!」

たぬき「う、うさこさんってときどきすごく鋭くなりますね。
   もうそれ以上いうことはありませんよ。
   まあ、強いていえば大人数でのブレインストーミングになると
   意見がたくさん出過ぎちゃうので
 
   ・専属の書記を使う
   ・付箋紙などに意見を書いてもらうようにする

   という工夫もありますね。
   特に付箋紙に書いてもらうと、あとでグルーピングして
   意見の整理に使えたりしますので便利ですよ。」

うさこ「あ、それおもしろそう!
   ねぇコン太先輩、今度会議でやってみましょうよ。
   きっと盛り上がりますよぉ~!」

コン太「うん、そうだな。
   これは是非試してみよう。」

たぬき「そうですね、是非トライしてみて下さいよ。
   ところでブレインストーミングでは『人の意見に対して批判しない』
   という原則があります。
   これはどうしてかわかりますか?」

うさこ「あ、そういえばそうだな。
   あんまり考えたことないですね。どうしてなんですか?」

コン太「あ、そういえば昔こんな経験したことがありますよ。
   ブレインストーミングではなかったんですけど、
   私の上司が『何でもいいから自由な発想で意見を出してくれ』って言ったんです。
   私もまだ新人時代だったから、常識の枠にとらわれない発想をしたんですよ。
   あまり実現性のないものではありましたけどね。
   そしたらその上司、
   『そんなのはできっこないだろ。もっと実現性の高いものを出せ!』
   って言いだしたんですよ。
   自由な発想でっていったにもかかわらず、そんなふうに言われちゃうと
   それ以上意見を言いたくなくなりましたよ。ちょっと矛盾してますよね、これって。」

たぬき「そう、その通りなんですよ。
   人は自分が出した意見に対して批判されると、
   それ以上意見を出そうという意欲が失われちゃいます。
   またコン太さんの経験のように『実現性がない』なんて言われちゃうと、
   思考の幅がこれ以上広がらなくなりますからね。
   問題解決の答えは、いまある常識の枠を超えたところに眠っているものなんです。
   そのため、どんなばかげた意見でもしっかりととらえることが必要なんですね。」

コン太「そうそう、私もそう思いますよ。
   そのためにもファシリテーターによる意見を引き出すための誘導は必要なんですね。」

うさこ「ブレインストーミング、とても楽しみっ!
   ねぇ、早く会議を開きましょうよ、ねっ!」

コン太「あせるなっ、まだたぬき先生に聞くことがたくさんあるんだから。
   ね、たぬき先生。よろしくお願いします。」

『ブレインストーミング』やってみたくなりましたか?次に出てくるのはなんでしょうね?
  

Posted by ひろさん at 12:00Comments(0)ファシリテーション辞典

2015年01月02日

ファシリテーション辞典 6.アイスブレイク

たぬき「さて、ここからは実際の会議で使って欲しいツールや
    テクニックをどんどん紹介しちゃいますね。
    まず、会議に入る前に是非やって頂きたいことがあるんです。
    それが『アイスブレイク』です。」

うさこ「え、アイス!
    会議ってとってもおいしいものがたくさん出ちゃうのね。
    さっきはコーンフレークだったし、今度はアイスか・・・
    両方あわせて食べるのもおいしいよね!」

コン太「うさこの頭の中は食べ物しか入ってないのかよ・・・」

たぬき「たしかに、言われてみれば食べものの名前に近いものが多いですね。
    気がつかなかったなぁ~
    うさこさんのように場の視点を変える技術も、
    ファシリテーターには重要なスキルなんですよ。」

うさこ「ほめられちゃった!」

コン太「っていうか、うさこはただの天然ボケって気もしますけど。
    で、その『アイスブレイク』ってなんですか?」

たぬき「『アイスブレイク』のアイスは氷の塊のこと。
    これを壊すからブレイクなんですね。
    市民会議の初回なんかでは、初対面の人同士が集まることがおおいですよね。
    こんなとき、どんな感じがしますか?」

コン太「そうですね・・・
    なんだか緊張しちゃって、雰囲気はちょっとガチガチかも。
    あ、このガチガチの状態が『氷の塊』なんだ!」

うさこ「え~っ、私は全然緊張しないけどなぁ~。
    誰にでも気軽に話しちゃう性格だからね。」

たぬき「ははは
    会議の参加者全員がうさこさんのような人だったらいいんでしょうけどね。
    しかし残念ながらそんな人ばかりじゃないのが現実。
    ふつうはコン太さんが言うように、ちょっとガチガチの緊張状態ですね。
    このまま会議を進めても、なかなか意見が出てこないでしょ。
    そこで登場するのが『アイスブレイク』なんですよ。」

うさこ「あ、そっか。
    そういえばこの間コン太先輩の村おこし会議に行ったとき、
    うさこはどんどん話しかけたけど他の人からはなかなか声をかけてくれなかったな。
    う~ん、まだ相手が緊張していたのかな?」

コン太「いや、それはうさこにあきれて口が開かなかっただけだと思うぞ・・・
    あのときはちょっとずうずうしかったような気もするが・・・」

たぬき「いやいや、うさこさんの言うことも一理ありますよ。
    やはり初対面の人にはなにかしら緊張しちゃいますからね。
    また初対面じゃなくても、会議の最初は頭がガチガチ状態のときもありますよね。
    特に『今日は自分の意見を主張するぞ!』なんて意気込んでいるときは、
    もうそれしか考えられなくて人の意見なんて聞く耳を持たないって時もありますね。
    会議の時って少なからず参加者はこのような緊張感を持ってしまうものなんです。
    そのまま進んじゃうと、意見が出ないばかりでなく人の意見を聞かないって事もよくあります。
    そのために『アイスブレイク』はとても重要な役割を持つんですよ。」

コン太「なるほどぉ~
    では具体的にはどんなことをすればいいんですか?」

たぬき「『アイスブレイク』の方法は山のようにあります。
    『日本ファシリテーション協会』のインターネットサイトの
    『ファシリテーションツール』にたくさん紹介されているので、一度見て下さいね。」

うさこ「うわぁ~、たくさんあるんだ。
    どれもおもしろそぉ~っ!!
    どれを選べばいいのか迷っちゃうな。」

たぬき「まあ初対面同士が集う場合は、自己紹介系のものがいいでしょうね。
    といっても、ただ単に自己紹介するだけでは緊張感はとけないんですよ。
    ここにいかにゲーム性を取り入れるか、これが『ブレイク』するコツですね。」

コン太「ゲーム性か、それってわかるな。
    ちょっとしたゲームを一緒に楽しんだ後は、
    緊張感も解けて一つになれた気がしますよね。
    でもどのアイスブレイクも時間がかかるものばかりですよね。
    会議の場でアイスブレイクにこんなに時間をかけてもいいものなんですか?」

たぬき「まあ会議の形態や会議にかける時間にもよりますけど。
    私の場合、1時間半~2時間程度の会議であれば、
    アイスブレイクに15~20分くらいの時間はとりますよ。
    これをやるのとやらないのとでは、その後の進行具合がまったく違いますからね。」

うさこ「へぇ~、そうなんだ。
    でもさ、30分くらいの報告会議でもアイスブレイクっているの?」

たぬき「この場合はそんなに時間をかけられませんよね。
    また報告会議だとある程度顔を知っていることが多いでしょ。
    そんなときは会議が始まる前に、ファシリテーターが参加者に日常的な話題をふって、
    参加者全員からまんべんなく意見を引き出すといいですよ。
    たとえば『今日の新聞で○○ってことがのってましたけど、
    あれってどう思います?』なんて感じでね。
    コツは『全員から』聞くこと。
    会議の前に別の話題で頭をはたらかせて、口慣らしをしてもらうことで
    その後の会議では意見がスムーズに出てきやすくなりますよ。」

コン太「なるほどぉ、一度頭をはたらかせて口を開かせるってことが大事なんですね。
    車で言うと、エンジンをかけていきなり走らせるよりも、
    少し暖機運転をしてから走らせた方が、燃費も走り具合もよくなるのと同じですね。」

たぬき「お、いい例えですね。
    『アイスブレイク』は会議の前の暖機運転みたいなものですね。」

うさこ「うさこはいつでも暖機運転済みよ!
    さぁ、バシバシ意見を出しちゃうぞ!!」

コン太「おまえはこれ以上暖機運転せんでもえぇわいっ!」

『アイスブレイク』の大切さがわかりましたか?
次はどんなツールがでてくるんでしょうね  

Posted by ひろさん at 12:00Comments(0)ファシリテーション辞典

2014年12月30日

ファシリテーション辞典 5.コンフリクト・マネジメント

コン太「会議で『コミュニケーション』が大事だって事はわかりましたよ。
    でも、会議の場ではよく意見の対立ってあるじゃないですか。
    相反する意見で激論をとばすって感じ。
    そういう場合はどうすればいいんですか?」

たぬき「そうなんですよ。
    これは会議の場ではよくあることですね。
    ここで登場するのが三つ目の『コンフリクト・マネジメント』なんです。」

うさこ「あ、それなら私今朝食べてきたよ!
    チョコレート味のやつなんだけど、ミルクと混ぜるとおいしいんだよねぇ~」

コン太「うさこ、それひょっとして『コーンフレーク』じゃないのか・・・?」

たぬき「ははは・・・。
    ちなみに私は何も味がついていないものに、
    フルーツとミルクを混ぜて食べるのが好きですけどね。」

うさこ「あ、それもおいしそうだな。
    今度やってみよっと。
    ところで、会議とコーンフレークってどんなつながりがあるんですか?」

コン太「おい、『コーンフレーク』じゃなくて『コンフリクト』だろっ!
    で、それってどういうことなんですか?」

たぬき「なんだかうさこさんのペースに巻き込まれちゃいそうですね。
    『コンフリクト』とは「対立」って意味があるんです。
    ファシリテーターは意見の対立を、「対立」としてとらえるのではなく、
    意見の相違点よりも一致点に目を向けて新たな解決策を導き出す役割が必要なんですよ。」

コン太「あ、それなんとなくわかりますよ。
    この間の村おこし会議でも意見の対立がありましたからね。
    革新派と保守派って感じで、二つの意見が食い違っていたんですよ。
    第三者として聞いていると、お互いに共通する思いは同じなんだから、
    対立せずにどこかで妥協点を見つけて一つの方向に向かえば、
    時間も労力もロスがなくなるんじゃないかと思うんですけどね。」

たぬき「そう、『コンフリクト・マネジメント』を行う利点はそこにあるんです。
    意見の対立は、そこを戦わせることだけにエネルギーと時間をつかっちゃって、
    とてもムダが多くなっちゃうんです。
    確かに意見の対立も必要なときはありますが、会議の本質はそこじゃないですよね。
    現実にある問題を解決すること、何か新たなものをつくり出すことが会議の本質ですからね。」

うさこ「あ、そっか。
    Aという意見とBという意見、どちらかを選択するんじゃなくて、
    AとBの両方のいいところをとって、新しくCって解決策を見つけちゃえばいいんだ。
    そしたらお互いが納得しちゃうでしょ。
    うさこ、あったまいぃ~!!」

たぬき「おっ!うさこさんするどい!
    うさこさんが言うとおり、『コンフリクト・マネジメント』は全ての人が
    Win・Winの関係を築くことが大きな目的なんです。
    コン太さんにちょっと質問。
    今までの会議だと、いろんな意見の対立がおこったときにどのような方法で
    解決しようとしていましたか?」

コン太「えっと・・・
    一番よく使うのは『多数決』で決議をとる方法かな。
    あ、でもそれだと反対派の少数意見は結果に反映されないですね。
    これじゃぁ不満を抱えたまま進行することになるかもしれませんね。」

たぬき「そう、これは『Win・Lose』の関係っていいます。
    結果的にどちらかが負けちゃうんですよね。
    これだとそこから先のコミュニケーションがとれなくなり、
    チームワークによる問題解決がすすまなくなることもあります。」

うさこ「じゃあ、どうしたらお互いが納得する『Win・Win』の関係になるのかしら?
    もったいぶらないで教えて下さいよぉ~!!」

たぬき「いや、べつにもったいぶっているワケじゃないんですけど・・・
    一番大事なのは、ファシリテーターが常に『中立』であること。
    どちらかの意見に賛同するのではなく、どちらの意見にもしっかりと耳を傾けることが必要ですね。
    次に『高い次元からものを見る』ことです。
    さきほどコン太さんが『第三者として』って言っていましたよね。
    このときコン太さんは、対立している二人の会話を一段高い
    ところから見下ろすイメージじゃなかったですか?」

コン太「あ、そういえばそうですね。
    当事者からすれば、『自分の意見が正しい』って主張していましたけれど、
    私から見れば両方正しいんですよね。
    そういえばそのときに『お互いのこことここを一つにして、
    こんなふうにすればいいんじゃないか』ってことを思いつきましたよ。」

たぬき「そんなときにファシリテーターは『提案する』ってことも必要ですね。
    ただし、あくまでも『提案』であって、『アドバイス』にならないように気をつけてくださいね。
    また意見の対立があったときには、『プロセス・デザイン』に戻って、
    会議の目的を再確認することも必要ですね。
    何のために意見を出し合っているのかを参加者全員が見つめ直すと、
    お互いの意見に耳を傾け始めてくれますよ。」

うさこ「あ、それってよくわかるわ。
    意見の対決ばっかり気になって、本当の目的がどっかにいっちゃうこともあるもんね。
    ほら、朝までなんとかって番組でさ、テーマとはずれちゃっていつのまにか
    相手の欠点ばっかり言い合っちゃう事ってあるじゃないの。
    ま、それはそれでおもしろいんだけど、実際の会議でやられちゃうとたまんないわよね。」

たぬき「うん、ここは十分気をつけてもらいたいところですね。
    そしてもう一つ、ファシリテーターは常に広い視野を持っていて欲しいんです。
    意見の対立って、ほんの些細なところから生まれてきちゃうことも多いですよね。
    コンフリクトを解消しようとして、AとBという意見で対立している小さな部分にしか目を向けないと、
    あらたなCという考え方は生まれてこないんですよ。
    ファシリテーターは参加者の視点を広げることも大事なんです。」

コン太「うんうん、よくわかりますよ。
    ファシリテーターってとっても重要な役割を持っているんですね。」

たぬき「では次は、実際の会議を進める上で役立つちょとした技術やツールを教えちゃいますね。」

うさこ「わぁ、より実践的な内容になるのね。
    たのしみ!」

意見の対立を解消する『コンフリクト・マネジメント』はいかがでしたか?
次からの実践編は楽しみですね!  

Posted by ひろさん at 12:00Comments(0)ファシリテーション辞典

2014年12月22日

ファシリテーション辞典 4.プロセス・マネジメント

コン太「『プロセス・デザイン』は会議の準備段階のようなものでしたよね。
    これを押さえておけば、とんちんかんな方向にはいかないってことはわかりました。
    では実際の会議を進行するときに必要なことって、どんなことなんでしょうか?」

たぬき「はい、そこで登場するのが二つ目の『プロセス・マネジメント』なんです。
    これは、メンバー間のコミュニケーションをいかに円滑にしながら意見を引き出すか、というところ。
    ここで重要なのは『コミュニケーション』、誰かの発言に対して参加者全員が共通の認識を持ち、
    そこからさらに次の発言を生み出していくということなんです。」

うさこ「会議にコミュニケーションかぁ・・・
    で、コミュニケーションってどういうこと?」

たぬき「そうですね。
    わかりやすく言えば『会話のキャッチボール』かな。
    誰かの発言があったら、それをしっかりと受け止める。
    そしてそれを理解した上でこちらが新たな発言を投げ返す。
    これを繰り返すことで、会議での発言は円滑になるし、
    その中身も本質をついたものになっていくんですよ。」

コン太「あ、そうか。
    相手の発言をしっかりと受け取らないままにこちらの考えや意見を主張しても、
    相手は受け止めてくれないでしょうからね。
    意見のぶつけ合いだけで終わってしまうのは、これができていないからなんだ。」

たぬき「うん、いいところに気がつきましたね。
    ファシリテーターは参加者からの意見をしっかりと受け止め、
    それをそのまま他のメンバーがキャッチできる形で投げ返す。
    意見の中継役みたいなものですね。
    これを行うことで、会議メンバー間のコミュニケーションを高めることができるんです。」

うさこ「なんだか難しそうだなぁ~
    具体的にはどんなことをやればいいんですか?」

たぬき「これ、一見難しいようですけど、
    一つ一つの項目をしっかりと把握すればそれほど難しくはありませんよ。
    その項目をご紹介しておきますね。

 事実や事象を共有化する
   会議で起こる意見の食い違いのほとんどが、ここをやっていないからです。
   また、曖昧なことや枠の大きなことについて具体化していくことで
   同じ認識を持たせることも必要ですね。

 根拠の乱れを正す
   問題からいきなり飛躍した答えになったり、根拠のない答えが出たりする事がありますよね。
   ファシリテーターはこのような部分を指摘し、新たに道筋を立て直すことを行うんです。

 落としどころを明確にする
   結論のない意見や、事実だけを述べてその中に発言者の意見がなく、
   「何が言いたいの?」ってとき。
   この部分をしっかりと引き出すことで、発言者の意志を確認するんです。

 わかりきっているという部分を明確にする
   形にはなっていないけれどそれぞれのメンバーが「わかっている」ということがありますよね。
   ここをあえて共通認識にするために、何かに例えたり事例に変えたりして伝えるんです。

 発言の内容を確認する
   よく何度も同じ発言をする人がいますよね。
   これは発言がしっかりと伝わっていないと感じることからおこる、心理的現象なんです。
   こんなときには発言内容を復唱することで、伝わったという確認になるんです。

    いかがですか?」

うさこ「うぅ・・・
    なんだかわかったようなわからないような・・・」

コン太「う~ん、ひとつひとつをもう少しかみ砕いて、
    実践してみるとその有効性が実感できるんでしょうね。
    でもよくわかるなぁ~
    これらの項目をしっかりとやっていないから、
    さる吉さんの意見の食い違いがおこっちゃったんだな。」

たぬき「そうですね。
    ひとつひとつの技術は一朝一夕に身に付くモノではないので、
    会議の度に意識してみるしかないでしょう。
    これらの技術を使う目的は、意見の食い違いをなくして共通認識の元に会議を進めること。
    それが会議チームのコミュニケーションを形成することにつながるんですよ。」

コン太「そのためにはファシリテーターの技量がとても重要だなぁ・・・
    なんかお手軽にこの技術を使う方法ってないんですか?」

たぬき「お手軽っていうとちょっと違うかもしれませんが、
    『ファシリテーショングラフィック』
    を使うと、このプロセス・マネジメントがわりとうまくいきますよ。」

うさこ「ファシリテーショングラフィック?
    また難しい言葉が出てきたな・・・
    うさこ、もう頭がぐるぐるだぁ~」

たぬき「はは、確かにちょっと難しい言葉でしたね。
    わかりやすく言うと『議事録』ですよ。
    ただし、参加者の共通認識としてつかうので、
    主にホワイトボードや模造紙などに書いて全員が見えるように記載するんです。
    これについてはまた後で詳しく説明しますね。」

うさこ「なんだ、たぬき先生のいじわるぅ~
    議事録だったらうさこだってわかるわよ。
    でもこれってふつうは書記が書くんじゃないの?」

たぬき「お、鋭い指摘ですね。
    会議のタイプによって異なりますが、ファシリテーターが書記を兼ねることもよくありますよ。
    また専属の書記を使う場合でも、ファシリテーターの指示を仰いだ方がいいでしょうね。
    ファシリテーターは常に『中立』で、決議事項については主観を持たない存在です。
    書記だけに記述を任せちゃうと、書記の主観が入る場合もありますから、
    ファシリテーターがしっかりと管理する必要があります。」

コン太「いずれにしても、それなりの訓練は必要ってことですね。
    重要なのは、いかにして参加者が同じ認識を持って会議にのぞむかってことかな。
    足並みをそろえることって、チームワークをつくるのにとても重要ですからね。」

たぬき「そうですね。ただ足並みをそろえるだけではなく、
    このときにお互いのことを理解し合うことがとても重要なポイントです。
    会議の中のコミュニケーションの重要性をしっかりととらえてくださいね。」

コミュニケーションを作り上げる『プロセス・マネジメント』、このスキルはとても重要ですね。  

Posted by ひろさん at 11:30Comments(0)ファシリテーション辞典

2014年12月16日

ファシリテーション辞典 3.プロセス・デザイン

うさこ「はい、たぬき先生!
    プロセス・チーズがどうして必要なんですか!?
    うさこはチーズが大好きです!」

たぬき「え、そ、そうなんですか・・・」

コン太「おいっ、『プロセス・チーズ』じゃなくて『プロセス・デザイン』だろっ!
    結局何一つ満足に聞いていないんだから・・・
    すいません、たぬき先生。」

うさこ「じょ、冗談に決まっているじゃないの(汗)
    プロセス・デザインですよね、はははは・・・」

コン太「うさこ、おもいっきり勘違いしていたな・・・。」

たぬき「まあまあ、確かに聞き慣れない言葉ですからね。
    プロセスデザインというのは、先ほども少しご説明しましたけれど、
    会議の参加者の意識を議題などに集中させ、お互いのベクトルを合わせる事なんです。 」

うさこ「ベクトル合わせってどういうこと?」

たぬき「そうですね。
    たとえばうさこさんをはじめとした優秀な人財が会議で集まったとするじゃないですか。」

コン太「うさこが優秀・・・ぷぷっ」

うさこ「失礼ねっ!これでも小学校の頃は『神童』って呼ばれてたのよ!
    成績も優秀だったんだから・・・小学校までは。」

たぬき「で、『今はただの人』ですね。」

コン太「たぬき先生もつっこみがうまくなりましたね。(笑)
    で、優秀な人財が会議に集まってどうなるんですか?」

たぬき「はい、そのときに出される意見の一つ一つはとてもするどくて、
    納得できるものだとしましょう。
    しかし、『何のために』とか『どのような方法で』ということが決まっていないと、
    それはただの『参考意見』。
    いくらするどい意見でも、会議の目的からはずれるようなものであれば
    活用のしようがないですよね。
    会議においてはこれらのムダを省くために、参加者全員の意向をそろえておく必要があるんです。
    また、問題解決などでは本当に『漏れ』がないか、これをしっかりと確認することも必要。
    これらを総称して『プロセスデザイン』というんです。」

うさこ「うんうん、わかるわ。
    この前コン太先輩がやった会議、うまくいったように見えたけどあとで実行したら
    必要な項目がいっぱいぬけていたもんね。
    おまけにサル吉さんが的はずれな事を言っていたし。
    なんか勘違いしていたみたいだったよ。」

コン太「うっ、痛いところをつくなぁ~
    確かに、あのときはうまくいったと思っていたけど、
    いざ決定事項を実行してみたらまだまだ決めなきゃいけないことも多かったし。
    それにサル吉さんが勘違いしていたのは、めんどくさくてそのままにしちゃったからな・・・
    だったら、どういったところに気をつけて『プロセス・デザイン』をやらなきゃいけないでしょうか?」

たぬき「そうですね。
    一つは『チームをひとつにする』こと。
    そのためには次の5つの要素を会議の中で決めておく必要があるでしょうね。

   1.会議の目的
    ここをチームメンバー全員が把握しておかないと、的はずれな考えが出てしまうんです
   2.アウトプット・イメージ
    会議で出す成果をどのような形にするか、ということですね
   3.活動プロセスとスケジュール
    成果のアウトプットまでの道のりとスケジュールを明確にしておくと、モチベーションがアップしますよ
   4.役割分担
    メンバーそれぞれの役割を明確にすることで、全員で成果をつくりあげやすくなります
   5.行動規範
    いわゆる『方針』ですね チームメンバーの価値基準を合わせることにもなります

   これらを明確にしておけば、会議などはスムーズにすすめることができますよ。」

うさこ「なるほどぉ~
    この前のコン太先輩の会議って、目的とアウトプットイメージがいまいちつかみにくかったもんね。
    私はいつも一緒に仕事をしているからわかったけれど、
    さる吉さんと一緒に仕事をすることってあまりないですよね。
    だから会議の意図がうまく伝わっていなかったんだ。
    最初に全員がしっかりと同じ認識を持つことが大切なんですね。」

コン太「う゛、たまに出るうさこの鋭いつっこみ・・・
    確かにそうだったよな・・・今のことをしっかりと決めておけば、ムダな発言も少なくなるだろうし、
    参加者全員が同じ方向を向いて考えることができますよね。
    そういえば、『一つは』って言いましたけど、その他にも
    『プロセス・デザイン』で必要な事ってあるんですか?」

たぬき「えぇ、さきほどもちょっとふれましたし、コン太さんも失敗していたようですが、
    会議ではいかにヌケモレをふせぐか、というのも重要なんです。
    ここを作り上げるのもファシリテーターの役目なんですね。」

コン太「どんなことをやればいいんですか?」

たぬき「手法としてはいろいろなものがありますね。
    例えばピラミッド型や魚の骨と呼ばれる『ロジック・ツリー』をつくる方法。
    参加者全員で問題点を多面的要素で細かに細分化していくことで、
    ヌケモレが間違いなく減りますよ。
    またそのときにヌケモレがあったとしても、全員が共通認識としてその失敗をもつことができるので、
    すぐに対処することもできますね。」

コン太「なるほど、『プロセス・デザイン』って会議の最初の段階でしっかりと作り上げておく必要があるんですね。」

たぬき「そうですね。
    例えば何かの企画会議だった場合、最初にこのプロセスデザインをしっかりと築き上げておくかどうかで、
    その後の展開が大きく違ってきますよ。」

うさこ「あ、でもそれって長期にわたる連続会議だったら有効だけど、
    一回だけの会議でそんなことやってたら時間がなくなっちゃうんじゃないんですか?」

たぬき「うん、うさこさんはするどいところに気がつきましたね。
    そういう場合は、会議の責任者とファシリテーターが事前に打ち合わせておき、
    プロセス・デザインをある程度作成しておく事も必要ですね。
    そして会議の冒頭でメンバーに決めておいたプロセス・デザインについて同意を得ること。
    会議は会議室だけじゃなくて、会議が開かれる前から始まっていますからね。」

うさこ「会議は会議室で起きているんじゃない!会議室に入る前から起きているんだ!」

コン太「おい、うさこ。それってあの映画のパクリか??」

たぬき「ははは・・・ホント、うさこさんといると飽きないですね。
    でもうさこさんの言ったとおりですよ。
    会議をうまく運ぶ第一歩は、参加者全員でその会議に取り組む意欲をつくることです。
    ファシリテーターはその意欲を高めるために必要になってくるんですよ。」

コン太、うさこ「納得!」

『プロセス・デザイン』については理解できましたか? 次はどんな技術が待っているんでしょうね?  

Posted by ひろさん at 12:30Comments(0)ファシリテーション辞典

2014年12月12日

ファシリテーション辞典 2.ファシリテーターの役割

うさこ「で、たぬき先生。結局ファシリテーターって何する人なの?
    なんだかわかったような、わからないような…」

たぬき「そうだね、さっきの説明じゃちょっと抽象的かな。
    じゃあもっとわかりやすくイメージしてみよう。
    例えば会議で飛び交う意見を、道路で走っている車にたとえてみよう
    大きな交差点、これが会議の場だ。
    さて、この交差点に信号もなく無秩序に車が走ったら、どうなるかな?」

コン太「そりゃ、衝突事故なんかがおきたり、
    そうでなくても交差点に入るときに警戒してのろのろ運転になるでしょうね。
    その結果渋滞がおきたりするかな。」

うさこ「はいっ!うさこだったらそんな交差点には絶対に入りません!」

たぬき「うん、そうだね。
    これが実際の会議の場でも同じようなことがおきているの、
    気づかないですか?」

うさこ「あ、そういえばこの前私が所属している市民団体でこんなことがありましたよ。
    ある人が意見を言ってくれるのはいいけれど、これが長くて。
    もう暴走状態でしたよ。
    おかげで他の参加者はうんざりしてましたね。
    その反面、参加しているんだけど何も発言しない人もいるし。
    そのせいで議論がなかなか前に進まなかったんですよ。」

たぬき「そう、この交通渋滞って会議の場ではよくあることなんです。
    一人が長々としゃべってしまう暴走運転。
    これは信号や交通整理がいないため、ここぞとばかりに自分の意見を述べているんですね。
    で、そういう人に限って人の意見は全く聞かない。
    反論されると自分の意見を防衛しようという作用がはたらいちゃうので、
    理論づけのない意見ばかりしか出てこないって事も。
    信号無視ですね。
    それとうさこさんが言っているとおり、逆にまったく意見が出てこないことも。
    みんな赤信号でもないのにストップしちゃうんですよ。」

コン太「じゃあ、そんなときにファシリテーターは何をするんですか?」

たぬき「細かく見るといろんな役割があるんですが、
    大きな流れで言うとファシリテーターは会議を構成するときに
    3つのことを注意してすすめることが多いですね。」

うさこ「ふ~ん、3つか。
    じゃあうさこもその3つをおぼえちゃえば、ファシリテータ-ってのになれるんだ。
    楽勝じゃん!!」

コン太「おいおい、そんな簡単になれるわけないだろっ!
    ほんと、うさこは楽観的なんだから・・・
    失礼しました。で、その3つのことってどんなことなんですか?」

たぬき「まずは会議の参加者の意識を、その問題に集中させるための『プロセス・デザイン』
    次に、参加者同士の意見を促しコミュニケーション力で解決に向かう『プロセス・マネジメント』
    さらに意見の対立を解決し相互理解を深めるための『コンフリクト・マネジメント』です。」

うさこ「わぁ~、うさこ横文字には弱いのよね・・・
    全然楽勝じゃない~っ!」

たぬき「まあまあ、そう難しく考えないで。
    それぞれについてはこのあと一つずつ、わかりやすくご説明しますね。」

コン太「よろしくお願いします。
    でも、会議の形態によっては今あげた3つ以外にもやらなきゃいけないこともあるんじゃないですか?
    逆に、今の3つのどれかが不要だったりするって事は?」

たぬき「おそらくコン太さんの頭の中には、今まで経験した会議の様子が思い浮かんでいるんじゃないでしょうか。
    あまりうまくいっていないときの。」

うさこ「そうですよ、コン太先輩!
    たぬき先生のイメージと違うことを思い浮かべているでしょ!
    ホントにダメですよ!!」

コン太「こら、そういううさこはどうなんだよ!
    まあ、確かにたぬき先生の言うように、今パッと思い浮かんだ会議は
    私が参加している村おこし会議なんですよね。
    そこではみんなの意見を自由に述べ合おうということで、
    それぞれが思っていることを思う存分言い合っているんですよ。
    それはそれでいいと思っているんですが・・・そういう趣旨だと
    『コミュニケーション力』っていうのがいまいちピンとこないんですよね。
    また会議に参加している時点で、参加者の意識は問題に集中しているのでここは不要じゃないかと。」

たぬき「なるほど。で、その会議ってどのくらい順調に進んでいますか?」

コン太「あ、いや。
    確かにうまく進んではいませんね。
    参加者の意識レベルはそれなりに高いんですけど、意見がなかなかまとまらなくて。
    全員で一つのことにとりかかろうというよりは、
    自分が思い描く理想像を早く実現させたいって感じで盛り上がっていますね。」

たぬき「そうなんですよ。だからこそ、参加者のベクトルを合わせるための『プロセス・デザイン』、
    参加者が力を合わせて全員で何かを作り上げるための『プロセス・マネジメント』、
    そこで出てくる対立意見から新たな解決策を導き出す『コンフリクト・マネジメント』が必要なんですね。」

コン太「あ、なるほど。
    でも、ただの報告会議なんかでもその3つが必要なんですか?」

たぬき「コン太さんはどう思いますか?
    うさこさんもどうお考えですか?」

うさこ「そりゃぁたぬき先生が必要だって言うんだから必要でしょ!。」

コン太「おいおい、ちょっとは考えろよっ!・・・
    失礼しました。
    そうですね、報告会議だとその報告内容から議論に入ったり、
    報告内容について反対意見が出たりってこともあるからな・・・
    それなりに先ほどの3つが必要かも・・・。」

たぬき「会議にはいろんな形態がありますし、必ずしも3つの役割が全てではありません。
    が、この3つを押さえておくとどんな会議にも対応できるのは確かですよ。
    特に何かの問題を解決するための会議や、新しいものをつくり出すための会議ではとても有効ですね」

コン太「う~ん、ファシリテーターや会議って、奥が深いんですね。」

うさこ「そう、奥が深いのよ。コン太先輩も成長したじゃないの!」

コン太「っていうか、うさこ、おまえはどうなんだよ!
    ホントに理解しているのか?
    わかってんだかわかってないんだか・・・」

たぬき「ははは。
    まあまあそんなにけんかしないで。
    ではこれから先ほどの3つについて詳しく説明しますね。
    しっかりとついてきて下さいね。」

ファシリテーターの役割として必要な3つの技術、果たしてどんなものなのでしょうね?
  

Posted by ひろさん at 12:00Comments(0)ファシリテーション辞典

2014年12月09日

ファシリテーション辞典 1.ファシリテーション

うさこ 「たぬき先生、早速なんですけど『ファシリテーター』って何なんですか?」

コン太 「おいおい、あいさつもそこそこにいきなりそれはないだろう。
     ったく、失礼しました。
     実はウチの会社の会議、ムダが多くてですね。
     これを何とかしたいと思っていまして。
     そしたら会議運営のプロがいらっしゃると聞いたものですから。」

たぬき 「ははは、そんなにかしこまらなくて気楽に行きましょうよ。
     さて、『ファシリテーター』のことでしたよね。
     お二人はどのようなイメージをお持ちでこちらに来られましたか?」

コン太 「はい、会議の司会進行をうまくすすめる人ということで聞いていましたけれど。
     ほら、議会なんかで進行役をする人がいるじゃないですか。
     あんなの。」

うさこ 「私はよくテレビなんかで見る、対談の対決番組があるじゃないですか。
     夜中から朝までやっているヤツ。
     あれで出てくるように、両者の話をまとめていく人のことかと思ってたわ。
     まぁ、テレビに出てくる人はまとめるんだかかき乱しているんだかわからないですけど」

たぬき 「ははは、そういえばそうかも知れませんね。
     コン太さんがイメージしているのは、『議長』のイメージですね。
     そしてうさこさんのイメージは、
     ファシリテーターというよりも『コーディネーター』ですね」

うさこ 「それってどこが違うんですか?教えて下さいよぉ~」

たぬき 「じゃあ、まず議長との違いから。
     一般的に会議の『議長』っていうのは議会などの進行を行いますけど、
     この人は会議についての決定権を持っていることが多いですね。
     ですから、普通の会社や組織で議長をつとめるのは、
     そこのトップだったりすることが多いんですよ。」

コン太 「あ、そういえばウチの課ではトップである課長が会議の司会進行と、
     最終的な決済を行ってますね。
     でも、それとファシリテーターは何が違うんですか?」

たぬき 「いいところに目をつけましたね。
     ファシリテーターというのは常に中立の立場で会議プロセスを管理しているんです。
     つまり、決定権を持っていないんですよ。」

うさこ 「へ、それじゃあ会議で決まったことを決済するのは誰がやるの?」

たぬき 「これはファシリテーターではなく、決裁者を別におくことが必要ですね。
     ですから、議長という役割の人を別にもうけておくこともあるんですよ。」

コン太 「中立か・・・あ、でもそれってさっきうさこが言った
     『コーディネーター』も同じじゃないですか?」

たぬき 「確かにそうですね。
     コーディネーターの役割は2者、もしくはそれ以上のものを
     『調和させる』という意味があるんです。
     ですから、うさこさんが見たテレビ番組や公開討論会なんかでは、
     このコーディネーターが活躍しているでしょ。
     このときにコーディネーターがどちらかの立場に偏ってしまうと、
     まとまるものもまとまりませんよね。
     ですからコーディネーターにも中立の立場は必要ですね。」

うさこ 「う~ん、なんだかわかったようなわからないような・・・。
     じゃぁ、ファシリテーターって何をする人なんですか?」

たぬき 「ファシリテーターの役割をおこたえする前に、
     『ファシリテーション』についてお話ししますね。」

コン太、うさこ「ファシリテーション?」

たぬき 「はい、そうです。ファシリテーションっていうのは
     『促進する』とか『助長する』なんて意味があるんです。
     ですから、会議の進行や決議を促進するという意味で、
     その進行役を行う人のことを『ファシリテーター』って言うんですよ」

うさこ 「なるほど!
     どうりでさっきからうさこの頭の中の考えも促進されていると思ったわ。
     さすがたぬき先生!」

コン太 「いや、オレにはそうは見えないが・・・どう見てもいつものうさこだわ」

たぬき 「ははは、うさこさんっていつもこんな感じなんですか。おもしろいですね。
     さて、話を続けましょうか。
     このように会議を促進する人のことを『ファシリテーター』っていうんですけど、
     その主な役割は次の通りなんです。
     ・常に中立な立場にいる
     ・会議のプロセスの管理を行う
     ・会議参加者のチームワークを引き出す
     ・そして、そのチームワークが最大限に活かされるように支援する
     ただ単に、会議を効率よく進行するだけじゃないんです。
     この会議というものをチームワークを活かしていかに効果的なものにしていくか、
     これがファシリテーターの最大の仕事ですね。」

うさこ 「うわっ、ちょっと考えただけでも大変そう・・・」

コン太 「確かにそうですね。しかしこれができれば会議ってかなり変わりますよね。」

たぬき 「そうですね。
     今行われている会議の多くは、話し合いと言うよりも
     最終的にはトップダウンの意向をいかに効率よく伝えるか、
     ということになってしまっているところが多いようですね。
     これではピラミッド型の命令系になってしまいがちなんです。」

うさこ 「それって、何がいけないの?
     そっちの方が会議がスムーズに進みそうなんだけど?」

たぬき 「確かに、効率を優先させるのであればこれが一番いいでしょうね。
     特に緊急を要する事態の場合はそうですよね。
     では新製品を生み出す企画会議なんかではどうですか?」

コン太 「あ、確かにトップの意向だけではいいアイデアが出ませんよね。
     個人個人が持っているアイデアを出しあって、
     それを融合させることで新たな商品が生まれてきますよね。」

たぬき 「その通り!
     今の時代に必要なのは、個々の能力を引き出し会い、
     その思いをつなぎ合わせて目標に向かってすすんでいくことが大事なんですよ。
     その個々の能力を引き出し、そして一つの形にまとめ上げるお手伝いをするのが
     ファシリテーターなんです。」

うさこ 「あ、前に本でみたことがある。
     今の時代はネットワーク型だって。
     個々をいかにつなげ合わせるかってのが大事だってことが書いてあったわ。 
     ほら、蜘蛛の巣みたいなイメージで。」

コン太 「なんかうさこにしてはめずらしくいい意見を言ってくれるじゃないか。
     おまえって、時々すごい事を言うね。」

うさこ 「えへん! だてに本は読んでいないわよ。
     っていっても、この前出張に行ったときに隣の席に座っていたおじさんが
     真剣に読んでいた雑誌に載っていたんだけど。
     私なにも読むものを持っていってなかったから、ついのぞき見しちゃった。」

コン太 「そんなことだろうと思ったよ・・・」

たぬき 「ははは、うさこさんってやっぱり楽しい人だ。
     今うさこさんが言っていただいた通り、
     今の時代は昔のような軍隊的なピラミッド型では成り立たなくなってきているんです。
     これは関わる人々がそれぞれ持っている個性が多様化してきたということでもあるんですね。
     ですから、一人一人が持っている能力や考えを認めつつ、
     それを一つのものに作り上げていく事が重要になってきているんです。
     ファシリテーターは会議運営のプロですが、それ以前に個々の能力を引き出し、
     チームワークとしてそれをまとめ上げ、
     さらには目標達成を促していくことが本当の役割なんですね。」

コン太 「なるほど。これはすごい!
     じゃぁ、そのファシリテーターってのをやるための技術をもっと教えて下さいよ」

うさこ 「私も知りたい! そして日本一のファシリテーターになってやるんだ!」

たぬき 「お、大きく出ましたね。
     それでは今からファシリテーターにどのような技術が必要なのか、
     少しずつお伝えしていきますね」

コン太、うさこ「はいっ! よろしくお願いします!」

さて、一体どんな技術が待っているんでしょうね。楽しみ楽しみ・・・  


Posted by ひろさん at 11:00Comments(0)ファシリテーション辞典

2014年12月06日

ファシリテーション辞典 0.きっかけ

コン太 「まったく、なんとかならないのかよ・・・
     いつも時間内には終わらないし、結論だってでやしない。
     いくらボランティアだからって、参加者の意識のなさにはあきれるよ」

うさこ 「あれ、コン太先輩、またグチですね。
     村づくり会議に出た翌日って、いつもこうなんだから。
     ま、お茶でも飲んでリラックスして下さいよ」

コン太 「あ、ありがと・・・ブブゥ~!げほげほっ なんじゃこりゃぁ~」

うさこ 「え、お茶がどうかしましたか?」

コン太 「このお茶、味がおかしいぞ! うさこっ、一体何を飲ませたんだっ!」

うさこ 「いや、コン太先輩があまりにも興奮しているから、
     精神安定にいいと思ってウチのおばあちゃん直伝の生薬をちょびっと・・・
     お茶に混ぜるといいって聞いたんだけどな」

コン太 「うさこのおばあちゃんの?
     確かにあのおばあちゃんの薬は効くと評判だけど・・・?
     ん、待てよ。うさこ、それどのくらい入れた?」

うさこ 「えっと、おばあちゃんからもらった包み一袋・・・
     あ、一袋じゃなくて一つまみって言われてたんだ」

コン太 「あほぉ~! ったく、いつもうさこはこうなんだから・・・
     だからいつまでたっても、オレはおまえの教育係から抜け出せないんだよぉ~」

うさこ 「まぁまぁ、そんなに興奮しないで・・・ま、もう一杯お茶でも・・・」

コン太 「飲めるかっ!
     ったく、元はといえば会議がうまく進まないことがイライラの原因なんだよなぁ。
     考えてみたらボランティア活動の会議だけじゃなく、ウチの会社の会議もムダが多いよな。
     部長なんかほとんどここにいないし。気がつくとどっかの会議に出てばっか。
     ろくに相談もできやしないよ」

うさこ 「あ、それ私も思っていたんですよ。
     この前部長に用事があって探していたら、会議室で役員と一緒におべんとう食べてたんですよ。
     これがあの有名な○×庵の特製弁当!
     ちょっとやそっとじゃ口に入らない代物ですよ。ったくいいなぁ~。
     あそこのおべんとうが食べられるなら、うさこも早く出世してあんな会議に出られるようにならなきゃ」

コン太 「・・・なんか論点ずれてるぞ、うさこ」

うさこ 「てへっ
      あ、そうそう。
      この前となり町に勤めている友達のお兄さんの奥さんの会社の人の上司から聞いた話なんだけど・・・」

コン太 「ちょっと待て、なんでそんな赤の他人とうさこが知り合いなんだ?」

うさこ 「あ、その人うちのお父さんなんです」

コン太 「・・・なんでそんなややこしい言い方をするんだよっ!」

うさこ 「だって、身内の話って思われたくなかったから・・・」

コン太 「うさこと話をすると、ホント疲れるな。
     まあいい。で、うさこのお父さんがなんだって?」

うさこ 「えっと、なんだっけ?
     あ、そうそう。お父さんの会社でこの間やった会議がやたらうまくいったんだって」

コン太 「へぇ、よほど意識の高い社員がそろってんだな。うさこのお父さんがいる会社って」

うさこ 「それがね、お父さんもこの間までコン太先輩みたいに家でグチをこぼしていたんですよ。
     そしたら一週間くらい前からグチが出てこなくなって、それどころか逆に生き生きしてきたくらい」

コン太 「ほぉ、何があったんだろう? どんな秘密があるんだ?」

うさこ 「えっと、なんでもファ・・・ファソラシド?
     いや違う、ファシラソラ?
     なんかそんなのを使ったとか」

コン太 「ファシラソラ? なんじゃそりゃ?
     歌をうたうと会議がうまくいくのか?
     でもそのファなんとかってのがうまくいく秘密みたいだな。
     もうちょっと情報はないのかよ?」

うさこ 「ちょっと待って、今お父さんに電話して聞いてみるから」

コン太 「おいおい、今って仕事中じゃ・・・おい。あ、聞いてないよ。
     あ~あ、人の迷惑を考えないっていうか、思いこみが激しいっていうか」

うさこ 「・・・うん、あ、そうなんだ。へぇ~、それはすごいね。
     で、今夜は遅くなるの?
     晩ご飯は? 今日はお母さんいないからうさこが食事当番なの。
     え、外で食べてくる?
     うさこの食事食べないの?
     この前は塩と砂糖を間違えただけじゃないの」

コン太 「・・・お父さん、かわいそうに。
     って、おい、うさこ! 論点がずれてるぞ。おいっ!」

うさこ 「はぁ~い、ありがと。今夜はハンバーグだから楽しみにしててよ。
     絶対に食べさせるんだから!
     んじゃね、ばいば~い」

コン太 「・・・うさこ、塩と砂糖は間違えるなよ。
     で、何かわかったか?」

うさこ 「えっとですね、会社で『ファシリテーター』っていうのを採用したんだって。」

コン太 「なんだ?その『ファシリテーター』っていうのは?」

うさこ 「う~ん、うさこもよくわかんないんだけど、なんでも会議を推進するプロフェッショナルとか」

コン太 「へぇ~、そんなのがいるんだ。
     で、どこにいけばその『ファシリテーター』に会えるんだ?」

うさこ 「へ?会うの?
     そこまでは聞いてなかった・・・」

コン太 「だぁ~っ、うさこはそこが抜けてんだよっ。
     まあいい、今夜特製ハンバーグをお父さんに食べさせてしっかり聞いといてくれ、頼んだぞ」

うさこ 「はいっ、わかりました!」

そして翌日・・・

うさこ 「コン太せんぱぁ~い、やった、やりましたよ!」

コン太 「お、うさこか。
     例の『ファシリテーター』の居場所がわかったのか?」

うさこ 「はいっ、お父さんにハンバーグをおいしく食べてもらえました!」

コン太 「そっか、砂糖と塩は間違えずに・・・って違うっ!
     『ファシリテーター』だよ」

うさこ 「あ、そっちですね。
    えっと・・・あ、あった。名前はたぬき先生。
    となり町でコンサルタントみたいな仕事をしているんですって。
    連絡先はここです。」

コン太 「よしっ、でかしたぞ。さっそく連絡を取ってくれ。
     詳しい話を聞きに行くぞ。」

うさこ 「はいっ!」

というわけで、二人がやってきたのはプロ・ファシリテーターのたぬき先生の事務所

コン太、うさこ 「こんにちはっ」
たぬき 「あ、連絡をくれたコン太さんにうさこさんですね、お待ちしていました。
     まあ中へどうぞ」
コン太、うさこ 「よろしくお願いします!」

さぁて、これからどんな話が聞けるのかな・・・  

Posted by ひろさん at 11:00Comments(0)ファシリテーション辞典

2014年12月02日

ファシリテーション辞典 はじまりはじまり

ファシリテーションって何?
会議ってどうしたらうまくいくの?
そんなあなたに、たぬき先生がわかりやすく解説
これを読めば、会議通になれること間違いなし!

登場人物(?)紹介

たぬき先生
 いろんな会議や会合で手腕を発揮している、プロのファシリテーター
 でもその正体は・・・う~ん、謎が多いんだな

うさぎのうさこ
  社会人一年生の、やる気だけは満々OL
  いろんな活動にたくさん出ているけれど、どこかちょっとずれてるんです
  ま、いわゆる天然ボケというやつで・・・

きつねのコン太
  うさこの先輩で、市民活動にバリバリ力をいれています
  ちょっとかたくて真面目な性格
  今の会議のやり方に不満があって、試行錯誤中


この3人(?)がお届けするファシリテーション辞典
日本一わかりやすいファシリテーションの解説書を目指してお届けします!  

Posted by ひろさん at 07:42Comments(0)ファシリテーション辞典