2014年12月06日

ファシリテーション辞典 0.きっかけ

コン太 「まったく、なんとかならないのかよ・・・
     いつも時間内には終わらないし、結論だってでやしない。
     いくらボランティアだからって、参加者の意識のなさにはあきれるよ」

うさこ 「あれ、コン太先輩、またグチですね。
     村づくり会議に出た翌日って、いつもこうなんだから。
     ま、お茶でも飲んでリラックスして下さいよ」

コン太 「あ、ありがと・・・ブブゥ~!げほげほっ なんじゃこりゃぁ~」

うさこ 「え、お茶がどうかしましたか?」

コン太 「このお茶、味がおかしいぞ! うさこっ、一体何を飲ませたんだっ!」

うさこ 「いや、コン太先輩があまりにも興奮しているから、
     精神安定にいいと思ってウチのおばあちゃん直伝の生薬をちょびっと・・・
     お茶に混ぜるといいって聞いたんだけどな」

コン太 「うさこのおばあちゃんの?
     確かにあのおばあちゃんの薬は効くと評判だけど・・・?
     ん、待てよ。うさこ、それどのくらい入れた?」

うさこ 「えっと、おばあちゃんからもらった包み一袋・・・
     あ、一袋じゃなくて一つまみって言われてたんだ」

コン太 「あほぉ~! ったく、いつもうさこはこうなんだから・・・
     だからいつまでたっても、オレはおまえの教育係から抜け出せないんだよぉ~」

うさこ 「まぁまぁ、そんなに興奮しないで・・・ま、もう一杯お茶でも・・・」

コン太 「飲めるかっ!
     ったく、元はといえば会議がうまく進まないことがイライラの原因なんだよなぁ。
     考えてみたらボランティア活動の会議だけじゃなく、ウチの会社の会議もムダが多いよな。
     部長なんかほとんどここにいないし。気がつくとどっかの会議に出てばっか。
     ろくに相談もできやしないよ」

うさこ 「あ、それ私も思っていたんですよ。
     この前部長に用事があって探していたら、会議室で役員と一緒におべんとう食べてたんですよ。
     これがあの有名な○×庵の特製弁当!
     ちょっとやそっとじゃ口に入らない代物ですよ。ったくいいなぁ~。
     あそこのおべんとうが食べられるなら、うさこも早く出世してあんな会議に出られるようにならなきゃ」

コン太 「・・・なんか論点ずれてるぞ、うさこ」

うさこ 「てへっ
      あ、そうそう。
      この前となり町に勤めている友達のお兄さんの奥さんの会社の人の上司から聞いた話なんだけど・・・」

コン太 「ちょっと待て、なんでそんな赤の他人とうさこが知り合いなんだ?」

うさこ 「あ、その人うちのお父さんなんです」

コン太 「・・・なんでそんなややこしい言い方をするんだよっ!」

うさこ 「だって、身内の話って思われたくなかったから・・・」

コン太 「うさこと話をすると、ホント疲れるな。
     まあいい。で、うさこのお父さんがなんだって?」

うさこ 「えっと、なんだっけ?
     あ、そうそう。お父さんの会社でこの間やった会議がやたらうまくいったんだって」

コン太 「へぇ、よほど意識の高い社員がそろってんだな。うさこのお父さんがいる会社って」

うさこ 「それがね、お父さんもこの間までコン太先輩みたいに家でグチをこぼしていたんですよ。
     そしたら一週間くらい前からグチが出てこなくなって、それどころか逆に生き生きしてきたくらい」

コン太 「ほぉ、何があったんだろう? どんな秘密があるんだ?」

うさこ 「えっと、なんでもファ・・・ファソラシド?
     いや違う、ファシラソラ?
     なんかそんなのを使ったとか」

コン太 「ファシラソラ? なんじゃそりゃ?
     歌をうたうと会議がうまくいくのか?
     でもそのファなんとかってのがうまくいく秘密みたいだな。
     もうちょっと情報はないのかよ?」

うさこ 「ちょっと待って、今お父さんに電話して聞いてみるから」

コン太 「おいおい、今って仕事中じゃ・・・おい。あ、聞いてないよ。
     あ~あ、人の迷惑を考えないっていうか、思いこみが激しいっていうか」

うさこ 「・・・うん、あ、そうなんだ。へぇ~、それはすごいね。
     で、今夜は遅くなるの?
     晩ご飯は? 今日はお母さんいないからうさこが食事当番なの。
     え、外で食べてくる?
     うさこの食事食べないの?
     この前は塩と砂糖を間違えただけじゃないの」

コン太 「・・・お父さん、かわいそうに。
     って、おい、うさこ! 論点がずれてるぞ。おいっ!」

うさこ 「はぁ~い、ありがと。今夜はハンバーグだから楽しみにしててよ。
     絶対に食べさせるんだから!
     んじゃね、ばいば~い」

コン太 「・・・うさこ、塩と砂糖は間違えるなよ。
     で、何かわかったか?」

うさこ 「えっとですね、会社で『ファシリテーター』っていうのを採用したんだって。」

コン太 「なんだ?その『ファシリテーター』っていうのは?」

うさこ 「う~ん、うさこもよくわかんないんだけど、なんでも会議を推進するプロフェッショナルとか」

コン太 「へぇ~、そんなのがいるんだ。
     で、どこにいけばその『ファシリテーター』に会えるんだ?」

うさこ 「へ?会うの?
     そこまでは聞いてなかった・・・」

コン太 「だぁ~っ、うさこはそこが抜けてんだよっ。
     まあいい、今夜特製ハンバーグをお父さんに食べさせてしっかり聞いといてくれ、頼んだぞ」

うさこ 「はいっ、わかりました!」

そして翌日・・・

うさこ 「コン太せんぱぁ~い、やった、やりましたよ!」

コン太 「お、うさこか。
     例の『ファシリテーター』の居場所がわかったのか?」

うさこ 「はいっ、お父さんにハンバーグをおいしく食べてもらえました!」

コン太 「そっか、砂糖と塩は間違えずに・・・って違うっ!
     『ファシリテーター』だよ」

うさこ 「あ、そっちですね。
    えっと・・・あ、あった。名前はたぬき先生。
    となり町でコンサルタントみたいな仕事をしているんですって。
    連絡先はここです。」

コン太 「よしっ、でかしたぞ。さっそく連絡を取ってくれ。
     詳しい話を聞きに行くぞ。」

うさこ 「はいっ!」

というわけで、二人がやってきたのはプロ・ファシリテーターのたぬき先生の事務所

コン太、うさこ 「こんにちはっ」
たぬき 「あ、連絡をくれたコン太さんにうさこさんですね、お待ちしていました。
     まあ中へどうぞ」
コン太、うさこ 「よろしくお願いします!」

さぁて、これからどんな話が聞けるのかな・・・


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